冬の冷たい風を防いでくれるロングコートや、春先のおしゃれに欠かせないロングスカート。颯爽と自転車に乗りたいけれど、ふとした瞬間に「裾がタイヤに絡まりそう…」とヒヤッとした経験はありませんか?
特に、クロスバイクや電動アシスト付きのママチャリでのお出かけ中に、お気に入りの服がチェーンの油で汚れたり、最悪の場合は破れてしまったりするのは絶対に避けたいものです。私自身も以前、買ったばかりのトレンチコートの裾を巻き込んでしまい、泣く泣く修理に出したという苦い経験があります。
当時はまさか自分がと思っていましたが、実はちょっとした油断が大きなトラブルを招くのです。
でも、安心してください。高価な専用アイテムを買い揃えなくても、実は100均のセリアやダイソーで手に入る洗濯バサミやクリップを使ったり、ヘアゴムと硬貨を活用した目からウロコの裏ワザを知ったりすることで、驚くほど快適かつ安全に走行できるようになります。
この記事では、ドレスガードの後付けといった本格的な解決策から、今すぐ家にあるもので試せる実例まで、服を巻き込まない方法をどこめよりも詳しく、そして分かりやすくご紹介します。
楓「おしゃれ」と「安全」を両立させて、心軽やかにペダルを漕ぎ出しましょう!
【記事のポイント】
1.ロングコートやスカートの巻き込みが、引き起こすリスク
2.100均グッズや家にあるものを使って、具体的な巻き込み防止策
3.ドレスガードの選び方や、クロスバイクでも実践できるプロ並みの工夫
4.雨の日のレインコート着用時に、注意すべきポイントと最強の安全対策
ロングコートの自転車巻き込み防止の必要性と裏ワザ


自転車に乗る際、ロングコートやロングスカートはシルエットが美しくとてもおしゃれですが、何の対策もせずにそのまま乗ってしまうと、車輪への巻き込みという非常に大きなリスクが潜んでいます。「気をつければ大丈夫…」と思っている方も多いかもしれませんが、風や走行中の振動は予測不能です。
ここでは、なぜ巻き込み防止対策が重要なのかという物理的な理由と、特別な道具をわざわざ買わなくても、家にあるものや100円ショップのアイテムで今すぐ実践できる、手軽な裏ワザについて詳しく解説していきますね。
- NITEデータが示す事故リスクとタイヤへの影響
- 100均の洗濯バサミを活用した手軽な対策
- セリアやダイソーで買えるクリップの活用法
- ヘアゴムと硬貨を使ったスカート固定の裏ワザ
- 服を巻き込まないためにサドルへ敷き込む方法
NITEデータが示す事故リスクとタイヤへの影響


「ちょっと裾が汚れるくらいでしょ?」「今まで大丈夫だったし…」と、軽く考えている方もいるかもしれません。しかし、衣服の巻き込みは、単なる汚れや破れといったファッションの問題だけでは済まされない、命に関わる危険な事故につながることがあります。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公表している事故情報データによると、自転車の車輪への衣服巻き込みは、転倒や急停止を引き起こす主要な原因の一つとして数多くの事例が報告されています。私たちが自転車を漕いでいるとき、後輪は路面を蹴るために高速で回転しており、同時に周囲の空気を巻き込んでいます。
そこにロングコートやフレアスカートのような軽くて広い布地が近づくと、車輪の回転によって発生する気流に吸い寄せられるようにしてスポーク(車輪の針金部分)やチェーンの隙間に入り込んでしまうのです。
一度布が回転部分に接触して絡まると、「ウインチ効果」と呼ばれる現象が発生します。これは、回転する車輪が布を強力な力で巻き取っていく現象で、人間の腕力では到底引っ張り出せないほどの凄まじい張力が一瞬にして働きます。
走行中の自転車の運動エネルギーに加え、ライダーの体重、そして漕ぐ力そのものが、すべて布を引っ張る力に変換されてしまうためです。
巻き込み事故による深刻な被害例
1.衣服の破損
お気に入りのコートが引き裂かれ、油汚れで再起不能になる。
2.自転車の破壊
後輪のスポークが飴細工のように折れ曲がる、泥除けが巻き込まれてバキバキに割れる、フレーム自体が歪んで廃車になる。
3.身体への傷害
後輪がロックして急ブレーキがかかった状態になり、ライダーが前方に投げ出されて顔面や頭部を強打する。
特に最近普及している電動アシスト自転車の場合、モーターの強力なトルク(回転力)が加わるため、布が巻き込まれた瞬間の破壊力は人力の比ではありません。ペダルを止めてもモーターが一瞬駆動し続ける特性があるため、気づいた時にはすでに布が深くまで食い込み、どうにもならなくなってしまうケースが多いのです。
修理費用も、後輪の分解やスポーク交換となれば数千円〜10,000円近くかかることも、ザラではありません。



大切なお洋服を守るためだけでなく、ご自身の怪我を防ぎ、愛車を長く乗り続けるためにも、しっかりとした物理的な対策が必要不可欠だということを、まずは強く認識してください。
(出典:製品評価技術基盤機構(NITE)『「車輪への巻き込み」が多発!』)
100均の洗濯バサミを活用した手軽な対策


リスクを理解したところで、具体的な対策について見ていきましょう。まず一番手軽で、コストもほとんどかからないのが「洗濯バサミ」を使った方法です。家にあるものでも十分機能しますが、もしこれから新しく用意するなら、100均で売っているあるタイプを選ぶのがポイントです。
やり方は、驚くほどシンプルです。自転車にまたがる前に、ロングコートの前側の左右の裾を合わせます。そして、膝下あたりの走行の邪魔にならない位置で、合わせた裾をまとめてパチンと洗濯バサミで留めるだけ。たったこれだけのアクションですが、効果は絶大です。
これによって、風を受けて裾が左右に広がるのを防ぎ、車輪付近に布が近づくのを物理的に阻止することができます。
特に冬場、北風が強い日や、ビル風が吹き荒れる街中を走る際は、コートの裾が思わぬ方向に大きくはためくことがあります。自分の意識していないところで裾が後輪に吸い寄せられるのを防ぐには、この「物理的に閉じる」という方法が最も確実で安心感があります。
選び方の重要ポイント:なぜステンレスなのか?
一般的なプラスチック製の洗濯バサミでも代用は可能ですが、屋外での使用を考えると「ステンレス製のピンチ(洗濯バサミ)」を、強くおすすめします。
理由は、2つあります。
- 耐久性:プラスチックは紫外線で劣化しやすく、いざという時に割れて弾け飛んでしまう可能性がありますが、ステンレスならその心配がありません。
- 挟む力:ステンレスピンチはバネが強力なものが多く、厚手の冬物コートでもしっかりとホールドしてくれます。
ダイソーやセリアの洗濯用品コーナーに行けば、4〜5個入りで100円程度で販売されています。おしゃれな雑貨屋さん風のデザインのものを選べば、生活感も多少は薄れますよ。
唯一のデメリットは、やはり「見た目」かもしれません。信号待ちで停車した際など、ふと足元を見られると少し恥ずかしい…という気持ちになることも。ですが、巻き込み事故で転倒して怪我をするリスクや、高価なコートがボロボロになる悲劇と天秤にかければ、背に腹は代えられないはずです。



「これは安全装置なんだ!」と、割り切って堂々と使いましょう。
セリアやダイソーで買えるクリップの活用法


「洗濯バサミだと、さすがに生活感が出すぎて恥ずかしい…」「もう少しスマートな方法はないの?」という方もいらっしゃるでしょう。そんなファッション感度の高い方におすすめなのが、セリアやダイソーといった100円ショップの手芸コーナーや文具コーナー、ベビー用品コーナーに隠れている便利アイテムの活用です。
洗濯バサミよりも目立たず、かつ機能的なアイデアグッズがたくさんあります。
1. 帽子クリップ・スタイクリップの活用
まずおすすめなのが、帽子が風で飛ばないように服と繋ぐための「帽子クリップ(ハットクリップ)」や、赤ちゃんのスタイ(よだれかけ)を首元で留めるための「マルチクリップ」です。これらは短いベルトの両端に、フィッシュクリップが付いている構造になっています。
コートの前裾と後ろ裾を、足の間を通してこのクリップで繋ぐのです。こうすることで、簡易的なキュロットスカートやサロペットのような形状を、一時的に作ることができます。
足が独立して動かせるようになるためペダリングもスムーズになりますし、何より裾が絶対に外側に広がらないため、車輪への接触リスクを極限まで減らすことが可能です。クリップ自体もリボン付きのものやシンプルなモノトーンのものなどデザインが豊富なので、コートの色に合わせて選べば違和感もありません。
2. 大型ダブルクリップで「重り」にする
もう一つのアイデアは、文具コーナーにある黒やシルバーの「大きめのダブルクリップ」を使う方法です。これは裾を留めるというよりも、重り(ウェイト)として機能させます。ヒラヒラと舞いやすいスカートや薄手のコートの裾の数カ所に、このクリップを挟んでおきます。
布地に適度な重みが加わることで、物理学的に言うと固有振動数が変わり、風による高周波なはためきやバタつきが抑制される効果が期待できます。また、単純に重力で裾が下方向に引っ張られるため、タイヤ側へ吸い寄せられにくくなるのです。
お気に入りのマスキングテープでクリップをデコレーションすれば、自分だけのオリジナル・アクセサリー感覚で楽しむこともできます。



ただし、高級な生地の場合はクリップの跡がつかないよう、間にハンカチやティッシュを挟むなどの工夫を忘れないでくださいね。
ヘアゴムと硬貨を使ったスカート固定の裏ワザ
これは知る人ぞ知る、ネットやSNSでも話題になることが多い、目からウロコの裏ワザです。
特別な道具を買いに行く必要がなく、手持ちの「ヘアゴム」と財布の中にある「硬貨(10円玉や100円玉)」だけで、ロングコートやスカートを瞬時にズボンのように変身させてしまう魔法のようなテクニックです。急な自転車移動が必要になった時にも非常に役立ちます。
ヘアゴム&硬貨テクニックの完全マニュアル
誰でもできる手順を、詳しく解説します。
自転車に乗る前に、少し足を開いて立ちます。手元にヘアゴム1本と、10円玉〜100円玉サイズの硬貨を1枚用意します。
コートやスカートの「後ろ側(お尻側)」の裾の中央部分をつまみ、足の間を通して「前側」に持ってきます。
後ろから持ってきた布の内側(自分の体に近い側)に硬貨をあてがいます。この硬貨が「ボタン」の芯のような役割を果たします。
コートの「前側」の生地を上から重ね、その生地越しに硬貨をつまみます。つまり、前後の布で硬貨をサンドイッチする状態です。
最後に、硬貨の形に盛り上がっている部分を根元からヘアゴムでしっかりと縛ります。
なぜこの方法が優れているのか?
この方法の最大のメリットは、硬貨を核にすることで結び目が大きくなり、走行中の振動でもゴムがスルッと抜け落ちにくくなる点です(これをアンカー効果と呼びます)。単に布だけで結ぼうとしても、冬物の厚いコートだとうまく結べなかったり、すぐに解けてしまったりしますが、硬貨を入れることでカッチリと固定されます。
完成形は、まるでアラビアンパンツやサルエルパンツのようなシルエットになります。足首周りがキュッと引き締まり、布が足に沿う形になるため、風を受けても裾が車輪側に膨らむことが構造的に不可能になります。目的地に着いたらゴムを外すだけで元通り。硬貨は財布に戻せばいいので、荷物も増えません。



ぜひ一度、鏡の前で練習してみてください。
服を巻き込まないためにサドルへ敷き込む方法
「クリップもヘアゴムも忘れてしまった!」「今すぐ乗らなきゃいけない!」そんな絶体絶命のピンチに使えるのが、道具ゼロでできるサドルへの敷き込みテクニックです。これは非常に原始的な方法ですが、物理的に布を押さえ込んでしまうため、正しく行えば効果は絶大です。
正しい敷き込みの手順
自転車にまたがる際、コートやスカートの後ろ側の裾を両手で左右に大きく広げます。そして、そのままお尻の下にしっかりと巻き込むようにしてサドルに座ります。ポイントは、サドルの先端や側面だけでなく、お尻の重心がかかる座面全体で布を踏みつけるイメージを持つことです。
つまり、自分の体重そのものを「最強の重し」として、利用するわけです。
こうすることで、最も巻き込まれやすい後ろ側の裾がヒラヒラと車輪に接触することを、物理的に封じることができます。前側の裾は足の上に被さる形になりますが、膝で押さえることができるため、後ろ側ほどリスクは高くありません。
この方法の弱点と注意点
このテクニックには、無視できない弱点がいくつかあります。
1.立ち漕ぎ厳禁
一度お尻を浮かせると、押さえていた布が解放されてバサッと落ちてしまいます。そのまま座ろうとすると、落ちた布を巻き込んでしまうリスクがあるため、走行中は座り続ける必要があります。
2.信号待ちの手間
停車時にサドルから降りるとセットし直しになるため、頻繁に止まる街中では少々面倒です。
3.シワ問題
全体重でプレスするため、リネンやコットンなど素材によってはクッキリと座りジワがついてしまいます。大切なデートの前などは、避けたほうが無難かもしれません。



あくまで「短距離の移動」や「道具がない時の応急処置」として覚えておき、基本は他の対策と併用するのが賢い使い方かなと思います。
道具で確実にロングコートの自転車巻き込み防止をする方法
ここまでは手軽な裏ワザを中心にご紹介してきましたが、毎日の通勤や通学で自転車を使うヘビーユーザーであれば、やはり専用の道具を導入して「仕組み」で解決するのが一番安全で、かつ精神的にも楽です。毎回乗るたびに裾を気にしたり、クリップを留めたりするのは意外とストレスになるもの。
ここでは、自転車自体に取り付けるドレスガードや、車種ごとの専門的な対策など、より確実で恒久的な方法について深掘りしていきます。
- 最強の対策であるドレスガードの効果と選び方
- 自分の自転車にガードを後付けする際の注意点
- クロスバイクで裾の巻き込みを防ぐ実例と対策
- 雨の日のレインコート巻き込みを防ぐ付け方
- 安全にロングコートで自転車巻き込み防止を行う要点
- 【総括】ロングコートの自転車巻き込み防止
最強の対策であるドレスガードの効果と選び方


ロングコートの巻き込み防止において、これ以上ないほど確実で信頼できる対策、それが「ドレスガード(スカートガード)」の装着です。裏ワザやクリップも有効ですが、ドレスガードは、後輪の側面を物理的に覆ってしまう設備による解決策です。
自転車側にガードが付いていれば、物理的に服がタイヤやスポークに触れることを、自動的に防いでくれます。
ドレスガードの種類と特徴
市場に出回っているドレスガードには、大きく分けて2つのタイプがあります。
1.メッシュタイプ
網目状になっているタイプ。風通しが良く、横風の影響を受けにくいのがメリットです。デザインも軽やかで、多くのシティサイクルに採用されています。
2.フルカバー(パネル)タイプ
板状で車輪を広く覆うタイプ。防御力は最強で、泥ハネ防止効果も高いですが、強風時に煽られやすいという弱点もあります。
どれでもいいから買えば付くというのは、大きな間違いです。購入前に必ず確認しなければならないのが、ご自身の自転車の「タイヤサイズ(インチ数)」です。26インチ用と27インチ用では微妙に曲線のアールが異なるため、サイズが合わないとタイヤに接触して異音の原因になったり、そもそも取り付けられなかったりします。
メーカーとしては、国内シェアNo.1の「OGK技研」の製品が圧倒的に信頼できます。ホームセンターやAmazonでも「DG-005」などの型番で広く流通しており、価格も1,000円以下〜1,500円程度と非常にリーズナブル。
自転車屋さんに修理を頼むと、スポーク交換や振れ取りで3,000円〜5,000円、最悪の場合はホイール交換で10,000円以上かかることもあります。そのリスクを考えれば、
1,000円程度の投資で安心が買えるドレスガードは、驚くほどコストパフォーマンス(費用対効果)が高い保険と言えるでしょう。
純正品に勝るものなし
もしお乗りの自転車がヤマハやパナソニックなどの電動アシスト自転車であれば、まずはメーカーの公式サイトで純正オプションとしてのドレスガードが販売されていないか、確認してください。



純正品ならフレーム形状に完全にフィットし、見た目もスマートに仕上がります。
自分の自転車にガードを後付けする際の注意点
実は、ドレスガードは全ての自転車に簡単に付くわけではありません。一般的な汎用ドレスガードを後付けするためには、自転車側に以下の2つのパーツが装備されていることが、必須条件となるケースがほとんどです。
取り付けに必要な2つの条件
- 泥除け(フェンダー)があること:ドレスガードの上部は、泥除けの縁に爪を引っ掛けて固定する構造になっています。
- フレームにステー(支え)があること:ドレスガードの中心付近は、フレームから伸びているステーや、ハブ軸付近の金具に固定します。
よくある失敗パターン
特に注意が必要なのが、おしゃれなミニベロや、スポーティな街乗り自転車に乗っている方です。これらの自転車には、最初から泥除けが付いていない、あるいはデザイン重視で泥除けが極端に短い場合があります。その場合、市販のドレスガードを買ってきても引っ掛ける場所がないとなり、取り付けができません。
無理やり、結束バンド(インシュロック)で留めるという荒技もなくはないですが、走行中にずれてタイヤに巻き込まれると本末転倒な事故になりますので、推奨できません。
加工が必要な場合も
また、後ろのブレーキの種類(ドラムブレーキ、ローラーブレーキ、キャリパーブレーキなど)や、鍵(リング錠)の位置によっても干渉することがあります。ここで頼りになるのが、先ほど紹介したOGK技研の「DG-005」などのモデルです。
この製品は素材が柔らかいポリプロピレン製で、干渉する部分をニッパーやカッターでカットして形状を調整できる(フリーカット仕様)ように設計されています。自分の自転車に付くか不安という方は、こうした調整可能なモデルを選ぶのが賢明です。
それでも自信がない場合は、迷わず自転車屋さん(プロ)に相談しましょう。ネットで買ったパーツの持ち込み取り付けはお店によって対応が分かれますが、パーツをお店で注文して取り付けまで依頼すれば、確実に適合する商品を選んでくれます。



工賃はかかりますが、安全を買うと思えば安いものです。
クロスバイクで裾の巻き込みを防ぐ実例と対策
近年、通勤や通学で利用者が激増しているクロスバイクやロードバイク。これらは、走る機能を最優先して設計されているため、軽量化のために泥除けやチェーンカバー、そしてドレスガードが装備されていない「ネイキッド(裸)」の状態がデフォルトです。
クロスバイクには一般的なママチャリ用のドレスガードは取り付けられないことが多いため、アプローチを車体側ではなく「人間(服装)側」にシフトする必要があります。
| 対策アプローチ | 具体的なアイテム・方法 | メリット・デメリット |
|---|---|---|
| 車体側で対策 | スポーツ車専用フェンダーの導入 簡易的なものではなく、タイヤを覆うフルフェンダーを装着し、そこに自作ガードなどを工夫して付ける(難易度高)。 | メリット:乗る時の格好を選ばない。 デメリット:見た目が野暮ったくなる。適合パーツ探しが大変。 |
| 服装側で対策 | 裾バンド(アンクルバンド)の応用 ズボンの裾を留めるバンドで、コートの裾ごと足首に巻いてしまう。 | メリット:安価で手軽。自転車の美観を損なわない。 デメリット:コートにシワが寄る。着脱が手間。 |
| ウェアラブル | サイクルエプロン(巻きスカート) 服の上から着用する巻き込み防止専用のエプロン。 | メリット:確実性が高い。服が汚れない。 デメリット:荷物が増える。 |
個人的にクロスバイクユーザーに最もおすすめしたいのが、「サイクルエプロン(巻きスカート)」の活用です。これはMinneなどのハンドメイドサイトや、一部のサイクル用品店で販売されているアイデア商品です。
ポリエステルなどの滑りの良い素材で作られており、万が一車輪に接触してもツルッと滑って逃げるため、巻き込みが起きにくい設計になっています。最近では北欧風の柄やデニム調など、街中で着けていても違和感のないおしゃれなデザインが増えています。



「自転車に乗るときだけ着用するオーバー・スカート」としてバッグに忍ばせておけば、どんなロングコートの日でも安心してスポーツライドを楽しめますよ。
雨の日のレインコート巻き込みを防ぐ付け方
自転車ユーザーにとって最大の敵、それが雨です。雨の日は、巻き込み事故のリスクが晴天時の何倍にも跳ね上がります。その理由は主に3つ。「レインコートが濡れて重くなり、垂れ下がる」「水で布がタイヤに張り付きやすくなる(摩擦係数の変化)」「視界が悪く、裾への注意力が散漫になる」からです。
特に危険なのが、上からガバッと被る「ポンチョタイプ」や、「ロング丈のレインコート」です。これらは着脱が楽で通気性も良いのですが、構造上どうしても裾が広がりやすく、強風と雨が重なると制御不能なほどバタつきます。
最強の対策:セパレートタイプへの移行
厳しいことを言うようですが、安全を最優先するなら、ロングコートの上からロングレインコートを着るのは避けるべきです。最も確実なのは、面倒でもジャケットとズボンが分かれているセパレートタイプのレインウェアを、選ぶことです。
これなら足元が完全に独立しているため、構造的に巻き込みようがありません。最近は「レインパンツ」だけ単体で売っていることもあるので、上はおしゃれなレインコート、下は黒のレインパンツという組み合わせもアリですね。
どうしてもロング丈を着るなら
それでもロング丈を着たい場合は、以下の対策を徹底してください。
1.めくれ防止クリップの使用
自転車用に設計されたレインコートには、裾がめくれ上がらないように足に固定するクリップやゴムバンドが付いているものがあります。これらを必ず装着しましょう。
2.レッグカバーの併用
足首から膝までを覆う「レッグカバー」を装着し、その中にレインコートの裾を入れ込んでしまうのも有効です。
3.透明な洗濯バサミ
前述の洗濯バサミテクニックも有効ですが、雨の日は滑りやすいので、クリップ力が強いものを複数個使うなどの強化が必要です。
雨の日は、ドライバーからの視認性も悪くなります。



巻き込み防止だけでなく、反射材(リフレクター)付きのレインウェアを選ぶなどして、交通事故としての巻き込み(左折巻き込み)対策も同時に行うのが賢いライダーです。
安全にロングコートで自転車巻き込み防止を行う要点


ここまで、裏ワザからハードウェアによる対策まで、様々な方法をご紹介してきました。最後に、これらを統合して「どうすれば一番安全に、かつおしゃれに自転車ライフを楽しめるか」という要点を整理します。
まず大前提として、ロングコートで自転車に乗るという行為自体が、Tシャツとジーンズで乗るよりもリスクが高い状態であると認識することです。その上で、リスクをコントロールするために以下の「3つの鉄則」を心に留めてください。
安全対策の3つの鉄則
1.ハードウェアを優先する
人間は忘れる生き物です。毎回クリップを留める手間や忘れリスクを考えると、自転車自体に「ドレスガード」を取り付けてしまうのが、最も確実で楽な解決策です。取り付け可能な自転車であれば、迷わず導入しましょう。
2.リスクに応じて「重ね技」を使う
ドレスガードが付いているから100%安全と、過信してはいけません。台風のような強風の日や、特に広がりやすいフレアスカートの日は、ガードに加えてクリップ留めやサドル敷き込みを併用する、「多重防御」を行ってください。
3.勇気ある撤退
あまりにも裾が長いマキシ丈のコートや、ボリュームのあるチュールスカートの日、そして暴風雨の日は、潔く自転車を諦めてバスや電車を使う、あるいは自転車を降りて押して歩く。この「乗らない勇気」を持つことが、事故を防ぐ究極の安全策です。
おしゃれを楽しむことは素晴らしいことですが、それは安全という土台があってこそ。服が汚れるだけなら洗濯で済みますが、怪我をしてしまっては元も子もありません。



「これくらい大丈夫」という油断を捨て、状況に合わせた最適な対策を選び取れるのが、スマートな自転車乗りの条件かなと思います。
【総括】ロングコートの自転車巻き込み防止


今回は、ロングコート着用時の自転車巻き込み防止について、手軽な裏ワザから本格的なグッズ活用までご紹介しました。100均のクリップやヘアゴムを使った工夫はすぐにでも試せますし、ドレスガードの導入は長期的な安心感につながります。ご自身の自転車タイプやライフスタイルに合わせて、最適な方法を取り入れてみてくださいね。
この記事が、あなたの大切なお洋服を守り、そして何よりあなた自身の安全な自転車ライフを守るための一助となれば嬉しいです。



さあ、しっかりと対策をして、今日もお気に入りのコートで街へ出かけましょう!
【参考】
>>ブルホーンのバーテープの巻き方は簡単?初心者でも失敗しないコツ
>>自転車にアヒルを付けるのはなぜ?流行の理由と実用性や注意点とは
>>サドルカバーは代用品で大丈夫?100均活用法から選び方のポイント
>>バーテープのフィニッシュテープ代用品のおすすめ!使える商品とは
>>100均防水サドルカバーは使える?失敗しない選び方とおすすめ知識
>>こぼれない自転車ドリンクホルダーってある?原因と最適な選び方とは
>>自転車のスカート巻き込み防止グッズは100均で?専用品から代用品
>>自転車の後ろにカゴ代用のおすすめってある?適切な積載術も徹底解説

















