「自転車の二人乗りは、いつから禁止になったのだろう?」と、疑問に感じたことはありませんか。街中で見かける機会は減りましたが、このルールに関する正確な知識は、意外と知られていないかもしれません。
この記事では、多くの人が気になる自転車の二人乗りが禁止になった時期と理由、そして自転車の二人乗りに関する法律内容とはどのようなものかを、詳しく解説します。また、自転車で二人乗りすることによるリスクにも触れ、安全意識を高めるための情報をご提供します。
さらに、自転車の二人乗りは子供だと大丈夫なのかという例外ケースや、中学生や高校生ならOKかといった、年齢別のルールについても掘り下げます。
罰則に関しても、自転車で二人乗りした罰金は何歳から適用されるのか、注意だけなら罰金はなしで済むのか、あるいは罰金が科されるケースには、どのようなものがあるのかを具体的に明らかにします。
加えて、関連する交通ルールとして自転車で歩道通行禁止はいつからか、といった情報も網羅し、自転車の二人乗り禁止でよくある質問にもお答えします。

この記事を読めば、二人乗りに関するあらゆる疑問が解消されるでしょう。
【記事のポイント】
1.自転車の二人乗りが、禁止された時期と法律の根拠
2.二人乗り違反による罰金や、新しい反則金制度の詳細
3.子供や学生など、状況別の二人乗りのルールと注意点
4.二人乗りが危険とされる、具体的な理由とリスクとは
自転車の二人乗り禁止はいつから?法律の背景


- 自転車の二人乗りが禁止になった時期と理由
- 自転車の二人乗りに関する法律内容とは
- 自転車で二人乗りすることによるリスク
- 自転車の二人乗りは子供だと大丈夫なの?
- 自転車の二人乗りは中学生や高校生ならOK?
自転車の二人乗りが禁止になった時期と理由


自転車の二人乗りが禁止されたのは、特定の年から突然始まったわけではありません。これは、1960年に施行された道路交通法に基づき、当初から原則として禁止されていました。
その理由は、自転車の構造と安全性にあります。一般的な自転車は、一人で乗ることを前提に設計されています。二人で乗ると車体の重心が高く、また不安定になり、運転者がバランスを保つことが非常に難しくなります。
特に、急なハンドル操作やブレーキが必要な場面で、転倒や衝突事故を引き起こす危険性が格段に高まるのです。



このように、運転者自身と同乗者、さらには周囲の歩行者や車両の安全を確保するため、法律によって定員(一人)を超える乗車は禁止されています。
自転車の二人乗りに関する法律内容とは


自転車の二人乗りは、道路交通法第57条第2項の「乗車又は積載の方法」に関する規定に基づいて、各都道府県の公安委員会が定める道路交通規則(施行細則)で具体的に禁止されています。
これに違反した場合、現行法では「20,000円以下の罰金または科料」という刑事罰が科される、可能性があります。これは、交通違反の中でも比較的重い罰則に分類されます。
2026年までに導入される「青切符」制度
さらに、近年の法改正により、自転車の交通違反に対しても反則金を課す「交通反則通告制度(通称:青切符)」が導入されることが決定しました。警察庁によると、2026年までに施行される予定です。
この新制度が始まると、二人乗り違反に対しては下表のように、より簡易な手続きで反則金が課されることになります。
項目 | 現行制度(刑事罰) | 新制度(青切符・行政処分) |
---|---|---|
処分内容 | 罰金または科料 | 反則金 |
金額 | 20,000円以下 | 3,000円(原付と同額案) |
手続き | 刑事手続き(前科の可能性) | 行政手続き(納付で終了) |
対象 | 全ての運転者 | 16歳以上の運転者 |



したがって、今後はこれまで以上に、二人乗りを含む自転車の交通ルール違反に対する取り締まりが、強化されると考えられるでしょう。
自転車で二人乗りすることによるリスク


自転車で二人乗りをすることには、法的な罰則以外にも多くのリスクが伴います。最も大きなリスクは、重大な交通事故につながる危険性です。
二人乗りをすると、まず運転操作が著しく不安定になります。一人の場合と比べて重量が増すため、カーブを曲がる際や坂道を下る際にバランスを崩しやすく、簡単に転倒してしまいます。
また、ブレーキの効きも悪くなり、制動距離が長くなるため、危険を察知してから停止するまでに時間がかかり、追突事故などを起こしやすくなるのです。
万が一、二人乗りで事故を起こしてしまった場合、運転者の責任は非常に重くなります。
交通事故の過失割合を算定する際に、二人乗りは「著しい過失」と見なされ、運転者にとって不利な状況となります。
結果として、被害者への損害賠償額が増大する可能性が高いと言えます。



自分自身と同乗者が大怪我を負うだけでなく、相手に重い障害を負わせたり、最悪の場合は命を奪ってしまったりするリスクも念頭に置く必要があります。
自転車の二人乗りは子供だと大丈夫なの?


自転車の二人乗りは原則禁止ですが、小さい子供を乗せる場合に限り、一定の安全基準を満たすことで例外的に認められています。これは、子育て世代の移動の利便性に配慮したルールです。
具体的に、子供を乗せて二人乗り(または三人乗り)が許可されるには、以下の全ての条件を満たす必要があります。
許されるための基本条件
- 運転者の年齢: 運転者は16歳以上でなければなりません。
- 子供の年齢: 乗せる子供は「小学校就学の始期に達するまで(6歳未満)」である必要があります。
- 乗車装置: 安全基準を満たした「幼児用座席(チャイルドシート)」を自転車に正しく設置して使用します。
三人乗り(子供二人)の場合
子供を二人乗せる場合は、上記の条件に加えて、自転車が「幼児2人同乗用基準適合車」であることが必須です。この基準を満たした自転車は、フレームの強度やスタンドの安定性などが強化されており、安全に走行できるよう設計されています。
自転車協会が認証する、「BAAマーク」「幼児2人同乗基準適合車」のマークがついているかを、確認しましょう。


安全のための注意点
子供を乗せる際は、法律で「努力義務」とされているヘルメットを、必ず着用させてください。万一の転倒時に頭部を守る、最も重要な安全対策です。





また、子供を背負う場合はおんぶ紐などを用いて確実に固定する必要があり、前方に抱っこした状態での運転は視野が狭まり危険なため禁止されています。
こちらの記事「0歳を自転車でおんぶする際のヘルメット着用って?様々な注意点とは」も、参考にしてください。
自転車の二人乗りは中学生や高校生ならOK?


中学生や高校生が友人同士などで二人乗りをすることは、法律で明確に禁止されています。
これは、たとえ運転者が子供を乗せられる年齢である16歳以上であっても、同乗者が「小学校就学前の幼児」ではないため、例外規定には当てはまらないからです。
学生による二人乗りは、単なる「若気の至り」では済まされない場合があります。警察官に見つかった場合、道路交通法違反として厳しく指導されます。
悪質なケースや繰り返し行われる場合は、20,000円以下の罰金または科料が科される可能性もゼロではありません。
また、法的な罰則だけでなく、学校生活への影響も考えられます。警察から学校へ連絡が入り、校則に基づいた指導や処分を受けることがあります。場合によっては、進学や就職の際に必要となる内申書に記録が残る可能性も指摘されています。



自分たちの将来のためにも、二人乗りは絶対に行わないようにすることが大切です。
自転車の二人乗り禁止はいつから罰則がある?


- 自転車で二人乗りした罰金は何歳から?
- 自転車の二人乗りが注意だけなら罰金はなし?
- 自転車の二人乗りで罰金が科されるケース
- 自転車で歩道通行禁止はいつから?
- 自転車の二人乗り禁止でよくある質問
自転車で二人乗りした罰金は何歳から?


自転車の二人乗りに対する罰則は、道路交通法上、運転者の年齢に関わらず適用されるのが原則です。自転車は「軽車両」に位置付けられており、その運転に免許は不要ですが、交通ルールを守る義務は全ての利用者に課せられています。
ただし、実際の運用においては、年齢によって対応が異なります。
1.14歳未満の者
刑事責任能力がないため、刑法上の罰金が科されることはありません。しかし、警察による補導や指導の対象となり、保護者への連絡や、場合によっては児童相談所への通告が行われることがあります。
2.14歳以上〜20歳未満の未成年者
少年法の適用対象となります。理論上は罰金の対象になり得ますが、実際には警察による厳重注意や補導、学校・保護者への連絡といった形で対応されることがほとんどです。ただし、極めて悪質または常習的な場合は、家庭裁判所での審判につながる可能性もあります。
3.成人(18歳以上)
成人年齢の引き下げに伴い、18歳以上は成人として扱われます。したがって、悪質な違反と判断されれば、ためらうことなく罰金が科される可能性が高まります。
年齢に関わらず、ルール違反であることに変わりはありません。



軽い気持ちで行った行為が、予期せぬ結果を招くこともあるため注意が必要です。
自転車の二人乗りが注意だけなら罰金はなし?


自転車の二人乗りで警察官に呼び止められた場合、必ずしもすぐに罰金が科されるわけではありません。多くの場合、特に初回の違反であれば、口頭での「注意」「指導」で済むことが一般的です。
警察官の対応は、違反の状況や運転者の態度によって変わってきます。
例えば、交通量の少ない場所で低速で走行していた場合や、違反を素直に認めて反省の態度を示した場合は、指導のみで終わる可能性が高いでしょう。
警察の目的は、罰金を科すこと自体ではなく、交通の安全を確保し、将来の事故を未然に防ぐことにあるからです。
しかし、「注意されただけだから大丈夫」と考えるのは間違いです。一度指導を受けたにもかかわらず、再び同じ違反を繰り返していると、常習性があると見なされます。その結果、次はより厳しい対応、つまり罰金の適用へと進む可能性が格段に高まります。



注意は、あくまでも改善を促すための警告と捉えるべきです。
自転車の二人乗りで罰金が科されるケース


注意や指導で済む場合がある一方で、罰金が科される可能性が高い具体的なケースも存在します。これらは主に、二人乗りという違反行為に加えて、他の危険な要素が重なった場合です。
例えば、以下のような状況では、警察は悪質性が高いと判断し、厳格な対応を取る傾向があります。
1.危険な運転を伴う場合
スピードを出しすぎている、蛇行運転をしている、急な割り込みをするなど、周囲に明白な危険を及ぼす運転をしている場合。
2.他の違反と重なっている場合
夜間にライトをつけずに走行する「無灯火運転」や、信号無視、一時不停止といった他の重大な違反と合わせて二人乗りを行っている場合。
3.事故を引き起こした場合
二人乗りが原因で人身事故や物損事故を起こしてしまった場合。この場合は罰則だけでなく、民事上の損害賠償責任も問われます。
4.警察官の指示に従わない場合
停止を求められたにもかかわらず無視して逃走しようとしたり、反抗的な態度を取ったりした場合。



これらのケースでは、単なるルール違反ではなく、交通の安全を著しく脅かす行為として、罰金という厳しい処分が下されることになります。
自転車で歩道通行禁止はいつから?


自転車の二人乗りと同様に、自転車は車道を通行するという原則も、1960年の道路交通法施行時から定められています。歩道はあくまで歩行者のための空間であり、自転車は軽車両として車道を通行するのが基本ルールです。
しかし、歩道通行にはいくつかの例外が認められています。以下の条件に当てはまる場合は、自転車で歩道を通行することが可能です。
- 道路標識による許可: 「自転車歩道通行可」の標識や表示がある歩道。
- 運転者の年齢など: 運転者が13歳未満の子供、70歳以上の高齢者、または身体に障害を持つ方の場合。
- 交通状況によるやむを得ない場合: 車道の交通量が多い、道路工事中であるなど、車道を安全に通行することが困難な状況のとき。
ただし、例外的に歩道を通行する場合でも、絶対的な「歩行者優先」の原則を守らなければなりません。



歩道の車道寄りをすぐに止まれる速度で「徐行」し、歩行者の通行を妨げるおそれがある場合は、自転車を一時停止させる義務があります。
自転車の二人乗り禁止でよくある質問


ここでは、自転車の二人乗りに関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で解説します。
- タンデム自転車なら二人乗りしても良いですか?
-
タンデム自転車(二人乗り用に設計された自転車)の公道走行は、以前は多くの地域で禁止されていました。しかし、近年では条例を改正し、特定の条件下で走行を許可する都道府県が増えています。
ただし、走行が許可されているエリアやルールは自治体によって異なるため、お住まいの地域の最新情報を必ず確認してください。
- 子供ではなく、ペットをカゴに乗せるのは違反ですか?
-
ペットの乗車は、法律上「積載物」として扱われます。道路交通規則では、積載物の重量やサイズに上限が定められています(例:東京都では重量30kg、長さ・幅・高さが積載装置から一定の範囲内)。
ペットが完全に収まる専用のキャリーバッグなどに入れ、運転者の視界やハンドル操作を妨げない、かつ転落の危険がない状態であれば、違反とならない場合があります。しかし、安全面から推奨はされません。
- 二人乗りしているところを通報されたらどうなりますか?
-
第三者からの通報を受けた場合、警察が現場に駆けつけることがあります。警察官は、通報内容と現場の状況を確認し、違反が事実であれば運転者に対して指導や注意を行います。前述の通り、違反の悪質性や危険性に応じて、罰金が科される可能性もあります。



よくあるQ&Aも、参考にしてください。
【総括】自転車の二人乗り禁止はいつから?
この記事で解説した「自転車の二人乗り禁止」に関する、重要なポイントを以下にまとめます。
- 自転車の二人乗りは、1960年施行の道路交通法で原則禁止された
- 理由は運転が不安定になり、事故のリスクが高まるため
- 違反した場合の罰則は、20,000円以下の罰金または科料
- 2026年までに青切符制度が導入され、反則金3,000円が課される予定
- 罰則の適用に、法律上の年齢制限はない
- 14歳未満は罰金ではなく、補導や指導の対象となる
- 初回や軽微な違反は、警察の注意で済むことが多い
- 危険な運転や繰り返し違反すると、罰金のリスクが高まる
- 16歳以上の運転者は、小学校就学前の子供を幼児用座席に乗せられる
- 子供を二人乗せるには、「幼児2人同乗用基準適合車」が必要
- 子供を乗せる際のヘルメット着用は、努力義務だが極めて重要
- 中学生や高校生の二人乗りは、法律違反となる
- 事故を起こすと過失割合が不利になり、賠償責任が重くなる
- タンデム自転車は、許可された地域でのみ公道走行が可能
- 自転車の歩道通行も、原則禁止で例外規定が存在する
【参考】
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>>自転車のギアチェンジをこぎながら正しく行う方法って?具体的なコツ
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