キックボードの公道走行は電動じゃないとダメ？正しい使い方と注意点

「非電動キックボードは公道を走れるのか…？」疑問に思っている方も、多いのではないでしょうか。近年、大人向けのキックボードが増えたことで、通勤や移動手段としての利用を検討する人が増えています。しかし、非電動キックボードは道路交通法上の扱いが曖昧であり、公道での走行が制限される場面も少なくありません。

この記事では、非電動キックボードで公道の走行は可能なのかという基本的な疑問から、歩道を走行する際の注意点や、非電動キックボードのメリットデメリットといった、実用的な情報まで幅広く解説します。

また、ヘルメットの着用は必須なのか、大人が非電動キックボードに乗るのは変なのかといった話題にも触れ、安心して利用するための知識をまとめました。

さらに、非電動キックボードで通勤する際の服装や、非電動キックボードがおすすめな人でそうでない人といったシーン別のポイント、電動キックボードと電動スクーターの違いなどもご紹介します。最後には、人気のおすすめ非電動キックボードもピックアップしているので、購入を検討している方も必見です。

【記事のポイント】
1.非電動キックボードは、公道走行が原則禁止である理由
2.歩道で使う際に、守るべきマナーと注意点
3.利用者のタイプ別に、向き不向きがあること
4.安全に使うための装備や、ルールの基礎知識

キックボードの公道走行は電動じゃないとダメ？

• 非電動キックボードで公道の走行は可能？
• 非電動キックボードで歩道を走行する際の注意点
• 非電動キックボードのメリットデメリット
• 非電動キックボードがおすすめな人でそうでない人
• 非電動キックボードはヘルメット着用必須？

非電動キックボードで公道の走行は可能？

非電動キックボードは、公道での走行が原則として禁止されています。

その理由は、非電動キックボードが道路交通法上、車両としての要件を満たさず、また「軽車両」にも該当しないとされているためです。現行法では、原動機がついていないキックボードは「遊具」として分類されるケースが一般的であり、公道での使用は法的な位置づけが不安定な状態です。

例えば、歩行者や車両の往来が多い交通のひんぱんな道路では、道交法第76条により「ローラースケートやこれに類する行為」が禁止されており、キックボードもこの類する行為に含まれると解釈されています。そのため、たとえ人力であっても、非電動キックボードで車道を走れば法令違反となるおそれがあります。

一方で、交通量が極端に少ない路地や私有地、公園の中などでは、走行を容認される場面もあります。しかしこのような例外は非常に限られており、あくまで例外的なケースと考えるべきです。

つまり、非電動キックボードは日常的な移動手段としては適さず、公共の道路で使用するには多くの制限やリスクを伴います。

非電動キックボードで歩道を走行する際の注意点

非電動キックボードは、多くの場合「歩行者」として扱われるため、歩道の通行が可能です。ただし、自由に走ってよいというわけではなく、いくつかの重要な注意点があります。

1.交通のひんぱんな道路

まず、道路交通法第76条では「交通のひんぱんな道路」でのローラースケートなどに類する行為を禁止しており、キックボードもこの中に含まれる可能性があります。歩行者が多く行き交う歩道でキックボードを使うと、他の歩行者の進路を妨げたり、接触事故を引き起こすリスクがあります。

静かな住宅街の歩道と、駅前のような混雑する歩道では、安全性やマナーの面で求められる配慮が大きく異なります。

2.歩道でスピードを出すのは避ける

次に、歩道ではスピードを出して走るのは避けましょう。非電動とはいえ、勢いよく蹴って進むと想像以上にスピードが出ます。子どもや高齢者が歩いている場面では、特に徐行が求められます。すれ違いの際には一時停止することも必要です。

3.スマホの操作

また、キックボードに乗りながら「スマホを操作」したり、周囲を見ずに前進するような行為は非常に危険です。安全確認を怠れば、自分自身が転倒するだけでなく、他人を巻き込んだ事故につながる可能性があります。

さらに、歩道はあくまでも「歩く」ためのスペースです。遊び感覚で長時間占有するような使い方をすれば、周囲からの苦情や通報の対象になりかねません。

このように、歩道で非電動キックボードを使用する場合は、歩行者としてのマナーと法律上の注意点を理解し、周囲の安全に最大限配慮することが求められます。

非電動キックボードのメリットデメリット

非電動キックボードは、気軽に使える乗り物として人気がありますが、メリットとデメリットの両方を理解したうえで利用することが大切です。

非電動キックボードのメリット

まずメリットとして挙げられるのは、手軽さと軽さです。多くの製品は折りたたみが可能で、持ち運びや収納がしやすく、重量も4〜5kg程度と比較的軽量です。これにより、電車やバスなどの公共交通機関との併用にも向いています。また、運動不足の解消にも一役買ってくれる点も見逃せません。

足で地面を蹴って進む構造なので、移動しながら自然と軽い運動ができます。

非電動キックボードのデメリット

一方で、いくつかの注意点もあります。最大のデメリットは、走行できる場所が大きく制限されることです。非電動キックボードは道路交通法上「遊具」として見なされることが多く、原則として車道での使用が認められていません。また、歩道であっても混雑している場所では使用を控える必要があります。

さらに、段差や悪路に弱い点も挙げられます。自転車と違ってタイヤが小さく硬いため、少しの凸凹でも大きくバランスを崩す可能性があります。上り坂では特にパワー不足を感じやすく、頻繁に足で蹴る必要があるため体力を消耗しがちです。

このように、非電動キックボードには日常の短距離移動に便利な面がある一方で、使える場面が限られていたり、路面状況による影響を受けやすいという側面もあります。

非電動キックボードがおすすめな人でそうでない人

非電動キックボードは誰にでも便利な移動手段というわけではありません。使う人の目的や生活環境によって向き不向きが分かれます。

非電動キックボードがおすすめな人

まずおすすめできるのは、「短距離の移動を頻繁にする人」です。例えば、最寄り駅までの道のりが徒歩10分程度ある場合、キックボードがあれば時間短縮になります。また、軽い運動を日常に取り入れたい人にも適しています。足で蹴って進むため、自然と体を動かす習慣が身につきます。

さらに、車や自転車を持たずコンパクトな移動手段を探している人にも便利です。折りたたみが可能なモデルであれば、電車やバスにも気軽に持ち込めます。

非電動キックボードがおすすめでない人

一方、おすすめできない人もいます。まず、「長距離移動が多い人」には不向きです。非電動のため体力を消耗しやすく、10分以上の移動では疲労を感じやすくなります。また、坂道や段差が多いエリアに住んでいる人にとっては、使用中のストレスが大きくなりがちです。

ポリウレタン製のタイヤでは振動が激しく、上り坂では前に進みにくくなります。

さらに、交通量の多い場所を頻繁に通る人にも不向きです。公道での走行は制限されており、歩道でも混雑していると安全に使えないため、移動が逆に不便になる場合があります。

このように、自分の生活スタイルや利用環境に合わせて選ぶことで、非電動キックボードのメリットを最大限に活かすことができます。

非電動キックボードはヘルメット着用必須？

非電動キックボードにおいて、ヘルメットの着用は法律上の義務ではありません。ただし、これは「どこで乗るか」によってリスクが大きく変わるため、安全面から見ると非常に重要な装備のひとつです。

まず、非電動キックボードは道路交通法上「軽車両」には該当しないとされることが多く、歩行者と同じ扱いになるケースが一般的です。この場合、ヘルメットの着用は義務化されておらず、着けていなくても法律違反にはなりません。

たとえば公園内や広場、または歩道を走行中に転倒した場合、頭を守るものがないと重傷につながる危険があります。特に子どもが使う場合は、頭部を保護するためにもヘルメットの着用が強く推奨されます。実際、自治体によっては子どもに対して着用を呼びかけるガイドラインを設けているところもあります。

また、非電動とはいえ、ある程度スピードが出るため、体が不安定になりやすく、ちょっとした段差や砂利道でバランスを崩すことも珍しくありません。大人が通勤目的で利用する場合でも、万が一の備えとしてヘルメットを着けておくことは決して無駄ではないはずです。

つまり、着用は必須ではないものの、安全性を重視するのであれば、子どもはもちろん、大人であっても積極的に着用すべきと言えるでしょう。

電動じゃないキックボードで公道を走るのはダサい？

• 大人が非電動キックボードに乗るのは変？
• 非電動キックボードで通勤する際の服装とは
• 電動キックボードと電動スクーターの違い
• 人気のおすすめ非電動キックボード
• 電動じゃないキックボードと公道でよくある質問

大人が非電動キックボードに乗るのは変？

大人が非電動キックボードに乗ることは、決して変ではありません。ただし、見た目や周囲の印象を気にする人にとっては、少しハードルが高く感じられることもあるかもしれません。

日本では遊具というイメージ

まず、日本では「キックボード＝子どもの遊具」というイメージが根強くあります。そのため、スーツ姿のビジネスパーソンが通勤時に乗っていると、目立ってしまうことがあります。特に人通りの多い場所では、変わった人と見られることを気にする人も少なくないでしょう。

海外での使用状況

しかし海外では状況が異なります。ヨーロッパやアメリカの都市部では、大人がキックボードを通勤や移動手段として利用する光景がごく普通に見られます。コンパクトで取り回しやすく、公共交通機関との相性も良いため、合理的な選択肢として定着しているのです。

大人向けキックボードの増加

日本でも近年、シンプルでスタイリッシュなデザインの大人向けキックボードが増えており、以前より違和感なく使えるようになっています。服装や乗り方を工夫すれば、周囲に与える印象も変わるはずです。たとえば落ち着いたカラーのモデルを選び、派手な服装や無理なスピードを控えるだけでも印象はかなり違います。

つまり、「変かどうか」は社会的なイメージや見せ方次第で変わってくるということです。目的が明確で、安全かつマナーを守って使用していれば、大人が非電動キックボードに乗ることは何もおかしいことではありません。

非電動キックボードで通勤する際の服装とは

非電動キックボードで通勤する場合、動きやすさと安全性、さらに周囲への印象までを考慮した服装選びが重要です。

1.動きやすさを重視

まず、最優先に考えたいのが「動きやすさ」です。キックボードは足で地面を蹴って進むため、タイトすぎるパンツやロングスカートなどは適していません。スラックスやストレッチ素材のパンツ、膝上丈のスカートなど、足の可動域が確保できる服装が快適に乗るポイントになります。

2.安全性

次に、重視すべきなのが「安全性」です。たとえば、裾が長すぎるコートやストールはタイヤに絡まる可能性があり、転倒の原因になります。風でひらひらするような服装は、操作の妨げになることもあるため、なるべく体にフィットしたデザインを選ぶようにしましょう。

3.靴選び

さらに「靴選び」も、見落とせない要素です。ヒールの高い靴や革靴はバランスを取りづらく、滑りやすいことがあります。できればスニーカーなどのグリップ力がある靴で通勤し、目的地で履き替えるのも一つの方法です。

一方で、服装がカジュアルになりすぎると、職場や周囲の人に違和感を持たれることもあるかもしれません。そのような場合は、シンプルで落ち着いた色合いのジャケットやシャツを取り入れると、通勤スタイルとのバランスが取りやすくなります。

また、雨天時にはレインコートや撥水加工のあるアウターを着用することも考えておきましょう。傘を差しながらの運転は危険なため、フード付きのレインウェアを選ぶことで安全性を保ちつつ通勤が可能になります。

このように、非電動キックボードでの通勤には「動きやすい・安全・清潔感」の、3つのポイントを意識した服装が最適です。

電動キックボードと電動スクーターの違い

電動キックボードと電動スクーターは、どちらもモーターで走行する乗り物ですが、構造や法律上の区分、使い方には明確な違いがあります。

比較項目	電動キックボード	電動スクーター
乗り方・操作性	立ち乗りで操作、軽量で持ち運びやすい	座って乗る、重量があり安定性が高い
法律上の扱い	特定小型原動機付自転車、免許不要、ヘルメットは努力義務	原動機付自転車、免許・ナンバー・ヘルメットが必要
走行可能場所	条件付きで歩道も可（時速6kmモード）	車道のみ走行可、歩道は不可

1.乗り方と操作性の違い

まず構造面では、電動キックボードは「立ち乗り」で操作するのが一般的で、細長いボードにハンドルが付いているスタイルです。一方、電動スクーターは座席があり、原付バイクのように「座って乗る」形状が基本です。タイヤのサイズやフレームの強度も異なり、スクーターのほうが重量があり、安定性に優れています。

2.法律上の扱いの違い

次に、法律上の扱いにも大きな差があります。電動スクーターは多くの場合「原動機付自転車」として分類され、運転免許・ナンバープレート・ヘルメット着用がすべて義務化されています。

それに対して、2023年の法改正により、一定の基準を満たした電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」として新たに区分され、16歳以上であれば免許不要・ヘルメットは努力義務という扱いになりました。

ただし、公道を走るにはナンバープレートの取得や自賠責保険の加入が必要です。

3.走行可能な場所や最高速度の違い

さらに、走行可能な場所や最高速度にも違いがあります。特定小型原付に分類される電動キックボードは、モードを切り替えることで時速6kmで歩道を走行できることがありますが、これは標識のある特定の歩道に限られます。一方の電動スクーターは、歩道の走行はできず、あくまで車道のみの利用となります。

このように、見た目が似ていても、使える場所や法的なルール、構造には明確な違いがあります。

人気のおすすめ非電動キックボード

非電動キックボードを選ぶ際は、「使用シーン」「持ち運びやすさ」「乗り心地」などの観点から、自分に合ったモデルを選ぶことが大切です。ここでは、実用性とデザイン性のバランスが取れた人気の非電動モデルをいくつか紹介します。

モデル名	特徴	おすすめポイント
DECATHLON OXELO COMMUTE 900	ハンドル調整可能、折りたたみ式、ラバー製タイヤ	身長に関係なく使いやすく、通勤に最適
FRENZY FR205DB	ハンド&フットブレーキ、軽量設計、ストラップ付き	初心者向けで、買い物や近所の移動に便利
Micro Mobility マイクロ・ホワイト	超コンパクト、折りたたみ可、シンプルデザイン	収納しやすく、通勤時にも自然に使える

DECATHLON OXELO COMMUTE 900

まず、紹介したいのが「DECATHLON OXELO COMMUTE 900」です。このモデルは、大人向けに設計された通勤対応のキックボードで、折りたたみが簡単にできるのが特徴です。ハンドルの高さ調整もスムーズで、身長に関係なくフィットしやすい設計になっています。

タイヤにはラバー製が使われており、振動をある程度吸収してくれるため、アスファルトの上でも比較的快適な走行が可能です。

FRENZY FR205DB

次に注目されているのが、「FRENZY FR205DB」というモデルです。この製品は、ハンドブレーキとフットブレーキの両方を備えているため、初心者でも安心して操作できます。重量は約4.5kgと軽量で、折りたたんで肩にかけられるストラップが付属している点も便利です。ちょっとした買い物や近所の移動に使いたい方には特に向いています。

Micro Mobility Systems マイクロ・ホワイト

さらにコンパクトさを重視するなら、「Micro Mobility Systems マイクロ・ホワイト」もおすすめです。非常に小さく折りたためるので、収納場所に困りません。シンプルなデザインで、通勤時にも浮かずに使えるのが魅力です。

このように、非電動キックボードには多種多様なモデルがあり、それぞれに特徴があります。選ぶ際は「走行距離」「地面の状態」「持ち運びやすさ」「ブレーキ性能」などを比較し、自分のライフスタイルに合ったものを見極めることがポイントです。

電動じゃないキックボードと公道でよくある質問

非電動キックボードを使うにあたって、公道での使用について多くの人が疑問を抱きがちです。ここでは、特に多い質問をいくつか取り上げてお答えします。

非電動キックボードは歩道と車道、どちらを走ればいいの？

非電動キックボードは原動機を持たないため、多くの場合「歩行者扱い」とされます。したがって、歩道を通行するのが基本となります。ただし、混雑した歩道では道交法第76条の「交通のひんぱんな道路での使用」に抵触する可能性があるため、控えるのが望ましいでしょう。

車道を走ると違反になりますか？

はい。非電動キックボードは「車両」としての条件を満たしていないため、車道を走行することは認められていません。軽車両ではない以上、原則として歩道や公園などの安全な場所のみでの使用が前提です。

子どもが公道で使っても問題ない？

使用する場所によります。住宅街の歩道や人通りの少ない公園周辺などであれば、安全面に配慮しつつ使用できることもあります。ただし、子どもがキックボードに乗って車道に飛び出すと大変危険なので、保護者の監督は必須です。ヘルメットやプロテクターの装着も忘れないようにしましょう。

どこまでが公道とみなされるの？

「公道」とは、国や自治体が管理している道路のことです。住宅街の道路、商店街の通り、駅前のロータリーなどもすべて公道に含まれます。たとえ車の通行が少なくても、公的に管理されていれば公道と判断されるため、気軽に乗ってよい場所とは限りません。

このように、非電動キックボードは手軽に見えて、実は公道での使用には多くの制限があります。

電動じゃないキックボードと公道に関するポイント総括

記事のポイントを、まとめます。

• 非電動キックボードは、原則として公道走行が認められていない
• 道路交通法上では非電動キックボードは、車両扱いではなく遊具に分類されることが多い
• 車道を走ると、法律違反になる可能性がある
• 歩道は通行可能な場合があるが、安全マナーを守る必要がある
• 交通のひんぱんな道路では、使用が禁止される場合がある
• 歩道でのスピードの出しすぎは、危険でトラブルの原因になる
• スマホを操作しながらの走行は、重大な事故につながる恐れがある
• 静かな住宅街や私有地、公園などは例外的に使用できるケースがある
• 軽量で持ち運びやすいため、短距離移動に適している
• 段差や悪路に弱く、バランスを崩しやすいという欠点がある
• 長距離移動には不向きで、体力を消耗しやすい
• 混雑した場所では、他者との接触リスクが高まる
• ヘルメットの着用義務はないが、安全面から着用が望ましい
• 日本では子どもの遊具というイメージが根強く、大人の使用は目立ちやすい
• 購入前には利用環境と、目的を明確にして選ぶことが重要

【参考】
>>大人のキックボードが恥ずかしいと思う理由？スマートな印象の使い方
>>キックボードの電車持ち込み完全ガイド！必要な条件とマナーや注意点