「ちょっと自転車を停めていただけなのに、戻ってきたらサドルがない…」そんな経験、または不安を感じたことはありませんか?近年のサドル盗難件数は増えているのか、そもそも自転車のサドルだけ盗難される理由とは一体何なのか、気になりますよね。
実は、サドル盗難にはパターンがあるという話は本当で、中には、よく聞くサドル盗難でブロッコリーが刺さっていたという、信じがたいようですがガチな事例も報告されています。
万が一被害に遭ってしまった場合、サドルだけを盗難されても被害届は受理されるのでしょうか。また、予防策としてサドルの盗難を防止するワイヤーの評判や、その他に盗難防止に強いおすすめのグッズについても知っておきたいところです。
さらに、サドルの保証扱いもある自転車盗難保険の有無や、もし盗まれた場合に自転車のサドルだけ購入するならどこで売っているのか。

サドル盗難に関するあらゆる疑問を、この記事で徹底的に解説していきます。
【記事のポイント】
1.サドルが盗まれる、具体的な理由や犯人の目的
2.盗難被害に遭った際の、正しい対処法と被害届
3.効果的な、サドル盗難防止グッズと対策方法
4.盗難後のサドル購入場所や、保険の適用について
自転車のサドル盗難はなぜ?その目的と現状を解説


- 近年のサドル盗難件数は増えてる?
- 自転車のサドルだけ盗難される理由とは…
- サドル盗難にはパターンがあるって本当?
- よく聞くサドル盗難でブロッコリーなってたってガチ?
- サドルだけを盗難されても被害届は受理される?
近年のサドル盗難件数は増えてる?


残念ながら、自転車盗難を含む街頭犯罪は増加傾向にあります。警察庁が発表した「2023(令和5)年の犯罪情勢」によると、街頭犯罪の件数は前年比で21.0%も増加しました。
この背景には、社会活動の正常化に伴う人流の増加が一因として挙げられています。
特に自転車盗は、傷害や暴行と並んで件数が増加した犯罪類型として指摘されており、私たちの身近な乗り物である自転車が、依然として犯罪のターゲットになりやすい状況にあることがわかります。
サドルだけの盗難に関する正確な統計データを見つけるのは難しいですが、自転車盗難全体が増加している状況を考えると、サドルなどのパーツ盗難も同様に増えている、あるいは少なくとも高い水準で発生している可能性は十分に考えられるでしょう。



大切な自転車を守るためには、これまで以上の防犯意識が求められます。
自転車のサドルだけ盗難される理由とは…


自転車本体ではなく、なぜサドルだけが盗まれるのでしょうか。犯人の動機は様々ですが、主に以下の4つの理由が考えられます。
転売目的
スポーツバイクなどに使われる高価なブランドのサドルは、中古市場でも需要があります。犯人は、軽量で持ち運びが容易なサドルを盗み、フリマアプリやネットオークションで転売して利益を得ようとします。特に簡単に取り外せる構造の自転車は、格好のターゲットとなりやすいです。
いたずら目的
信じがたいことですが、純粋な悪意や愉快犯的ないたずら目的でサドルを盗むケースも少なくありません。後述するように、サドルの代わりに野菜が差し込まれているといった悪質な事例も報告されています。犯人にとっては単なる遊び半分でも、被害者にとっては深刻な精神的・金銭的苦痛となります。
自身のサドルとの交換・自己保有目的
自分の自転車のサドルが壊れたり、古くなったりしたために、他人の自転車から盗んで付け替えるというケースもあります。また、特に珍しい動機ではありませんが、盗んだサドルをそのまま自分の自転車で使い続ける自己保有も考えられます。
収集マニアや変質者による犯行
特定のメーカーやモデルのサドルを収集するマニアが、犯行を繰り返すことがあります。過去には、約25年間で5800個ものサドルを盗み、倉庫に保管していた男が逮捕された事例もありました。



加えて、女性が使用していたサドルのみを狙うといった、変質者による盗難も発生しており、注意が必要です。
サドル盗難にはパターンがあるって本当?


サドル盗難と一括りに言っても、その手口や背景にはいくつかの特徴的なパターンが存在します。これらのパターンを知ることで、より効果的な対策を講じることが可能になります。
まず、最も多いのが「転売」を目的としたパターンです。前述の通り、ロードバイクやクロスバイクなどに使用される高価なサドルは、換金しやすいため狙われやすくなります。犯人はパーツに関する知識を持っている可能性があり、手際よくシートポストごと抜き去っていきます。
次に、「いたずら」目的のパターンです。これは特定のサドルを狙うというよりは、無施錠であったり、簡単に盗めそうだったりする自転車をターゲットにする傾向があります。犯行に計画性はなく、衝動的に行われることが多いと考えられます。
そして、非常に厄介なのが「収集」を目的としたパターンです。特定のブランドや形状のサドルに異常な執着を持つ犯人が、執拗に犯行を繰り返します。この場合、一つの地域で同じような被害が連続して発生することがあります。
貸倉庫を借りてまで大量のサドルを保管していたという事例は、このパターンの異常性を物語っています。
これらのどのパターンにも共通しているのは、「サドルが簡単に取り外せる」という弱点を突いている点です。



犯行を未然に防ぐには、この弱点をいかにカバーするかが鍵となります。
よく聞くサドル盗難でブロッコリーなってたってガチ?


「サドルを盗まれたと思ったら、代わりにブロッコリーが刺さっていた…」という話は、まるで都市伝説のように聞こえるかもしれませんが、これは実際に報告されている悪質ないたずらです。
タレントの藤田ニコルさんも、過去に同様の被害に遭ったことをテレビ番組で語っています。このようないたずらは、単にサドルを盗むだけでなく、被害者を精神的に嘲笑うかのような意図が感じられ、非常に悪質です。
なぜブロッコリーなのか、その理由は定かではありませんが、サドルがなくなったシートポストの穴にちょうど収まりやすい形状であることなどが考えられます。いずれにしても、このような被害は、金銭的な損害以上に、被害者に大きな不快感と精神的ショックを与えます。



単なるいたずらでは済まされない、れっきとした犯罪行為です。
サドルだけを盗難されても被害届は受理される?


たとえサドルだけであっても、盗難は立派な「窃盗罪」にあたります。そのため、もちろん警察に被害届を提出することが可能です。「こんなことで警察に行くのは大げさかな?」と、ためらう必要は一切ありません。
被害届を提出するメリットは、単に犯人逮捕の可能性だけではありません。届け出ることによって、警察が被害発生地域として認識し、周辺のパトロールを強化してくれる可能性があります。これは、同様の被害の再発防止に繋がる重要なアクションです。
被害届の手続きと必要なもの
被害届は、最寄りの交番や警察署で提出できます。手続き自体は、盗難届の用紙に必要事項を記入するだけで、通常10分〜20分程度で完了します。
提出の際には、以下のものを持参するとスムーズです。
- 印鑑
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 自転車の防犯登録カードまたは登録番号
自宅の駐輪場などで被害に遭い、防犯カメラの映像が残っている場合は、後日でも警察に提出できます。映像は犯人特定のための極めて重要な証拠となりますので、必ず保管しておきましょう。
ただし、サドル単体には防犯登録番号のような個体を特定する情報がないため、残念ながら犯人が見つかっても盗まれたサドルが自分のものだと証明することが難しく、発見に至る可能性は低いのが現状です。



それでも、泣き寝入りせずに被害を届け出ることが、地域の防犯意識を高める第一歩となります。
サドル盗難はなぜ防げない?盗難防止策と対処法


- サドルの盗難を防止するワイヤーの評判って?
- サドルの盗難防止に強いおすすめのグッズとは
- サドルの保証扱いもある自転車盗難保険ってある?
- 自転車のサドルだけ購入するならどこで売ってる?
- サドルの盗難に関するよくある質問
サドルの盗難を防止するワイヤーの評判って?


サドルの盗難対策として、最も手軽で導入しやすいのが「サドル用ワイヤーロック」です。これは、サドルのレール部分と自転車のフレームを短いワイヤーで繋ぎ、サドルだけを抜き取られるのを防ぐためのグッズです。


このワイヤーロックの評判は非常に高く、多くのユーザーから支持されています。その理由は、まずコストパフォーマンスの高さにあります。多くの製品が1,000円前後で購入でき、大きな出費をせずに防犯レベルを格段に上げることが可能です。
ワイヤーロックのメリット
また、一度取り付けてしまえば、普段は付けっぱなしにしておけるため、毎回鍵をかける手間がかからない点もメリットです。
犯罪者は、犯行に時間がかかることを嫌います。ワイヤーロックが付いているだけで、「この自転車は盗むのが面倒そうだ」と犯人に思わせ、ターゲットから外させる心理的な抑止効果が期待できます。
ワイヤーロックのデメリット
デメリットとしては、自転車の見た目が少し変わることや、強力な工具を使われれば切断される可能性がゼロではないことが挙げられます。



しかし、これらの点を考慮しても、わずかな投資で得られる安心感を考えれば、非常に有効な防犯対策と言えるでしょう。
サドルの盗難防止に強いおすすめのグッズとは


サドル用ワイヤーロック以外にも、盗難防止に有効なグッズや方法はいくつか存在します。複数の対策を組み合わせることで、防犯効果はさらに高まります。
シートクランプの交換
多くの自転車、特にクロスバイクなどでは、工具を使わずにサドルの高さを調整できる「クイックレバー式」のシートクランプが採用されています。これは非常に便利ですが、裏を返せば誰でも簡単にサドルを外せるということです。


このシートクランプを、六角レンチなどの専用工具がないと緩められない「ボルト式」のものに交換するだけで、盗難のリスクを大幅に減らすことができます。犯人がわざわざ工具を用意してまで盗む可能性は低くなるため、非常に効果的な対策です。
自転車店で相談すれば、適切なサイズのものを提案・交換してもらえます。
防犯カメラやセンサーライトの設置
自宅の敷地内など、特定の場所に自転車を駐輪する場合は、防犯カメラやセンサーライトの設置が極めて有効です。犯人は人目や記録に残ることを最も嫌うため、カメラがあるだけで強力な抑止力となります。


人の動きを検知して点灯するセンサーライトも、夜間の犯行をためらわせる効果が期待できます。カメラと組み合わせることで、「見られている」「照らされる」という二重のプレッシャーを犯人に与えることが可能です。


最近では、侵入者を検知してスマートフォンに通知を送るAI機能付きのカメラも登場しており、住まい全体の防犯強化にも繋がります。
サドルを持ち歩くという最終手段
少し手間はかかりますが、駐輪時にサドルを取り外して自分で持ち歩く、というのも非常に確実な盗難防止策です。犯人からすれば「盗むべきものがない」状態になるため、盗難のリスクはほぼゼロになります。
ただし、毎回着脱する手間がかかる、手が汚れる可能性がある、持ち運ぶ際にかさばる、といったデメリットも存在します。



長時間の駐輪が予想される場合や、特に治安が不安な場所に停める場合など、状況に応じて他の対策と使い分けるのが現実的でしょう。
サドルの保証扱いもある自転車盗難保険ってある?


万が一の事態に備えて、自転車盗難保険への加入を検討する方も多いでしょう。しかし、ここで注意が必要なのは、多くの自転車保険では「パーツのみの盗難」は、補償の対象外となっている点です。
一般的な自転車盗難保険は、自転車本体が盗まれた場合に保険金が支払われる仕組みになっています。そのため、サドルやホイール、バッテリーといったパーツだけが盗まれた場合、残念ながら保険が適用されないケースがほとんどです。
ただし、保険会社や契約プランによっては、特約などで「購入時に装着されていたパーツ」の盗難も補償対象に含まれる場合があります。高価なサドルやカスタムパーツを取り付けている方で、パーツ盗難のリスクが特に心配な場合は、保険に加入する前に、必ず約款の詳細を確認することが大切です。



補償範囲について不明な点があれば、直接保険会社に問い合わせて、サドル単体の盗難が保証されるかを確認しておきましょう。
自転車のサドルだけ購入するならどこで売ってる?


サドルが盗まれてしまった場合や、乗り心地を改善したい場合など、サドルだけを単体で購入する必要が出てきます。サドルは、主に以下のような場所で購入することが可能です。


販売場所 | 価格帯の目安 | 特徴 |
---|---|---|
ホームセンター | 2,000円~5,000円 | 一般的なシティサイクル用が中心で、種類は少なめ。 |
ドン・キホーテ | 1,500円~3,000円 | 一般車用が中心で安価。品揃えは多くない。 |
自転車専門店 | 1,500円~60,000円 | 種類が豊富で、専門スタッフに相談可能。 |
ネット通販 | 1,000円~ | 最も種類が豊富。レビューを参考に比較検討できる。 |
特にこだわりがなく、一般的な自転車用のサドルを探している場合はホームセンターでも十分ですが、乗り心地やデザイン、自分の自転車との適合性を重視するなら、品揃えが豊富な自転車専門店やネット通販の利用がおすすめです。



自転車専門店であれば、その場で取り付けまで依頼できる場合もあります。
全国37の実店舗とオンラインストアで、国内サイクルブランドなら品揃えナンバーワンの「ワイズロードオンライン」こちらの記事「ワイズロードオンラインの評判って?口コミでわかる選ばれる理由とは」も、参考にしてください。
サドルの盗難に関するよくある質問


ここでは、サドルの盗難に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で回答します。
- サドル交換にかかる費用は?
-
新しいサドルの購入費用として、安いもので1,500円程度から、高価なものでは数万円以上かかる場合もあります。一般的なシティサイクルであれば、サドル本体と交換工賃を合わせて3,000円〜5,000円程度が一つの目安となるでしょう。
盗難は、金銭的な負担だけでなく、自転車が使えなくなる時間的な損失や精神的なストレスも大きいものです。
- どんな自転車が狙われやすい?
-
主に3つの特徴が挙げられます。1つ目は、サドル自体が高価なロードバイクやクロスバイクなどのスポーツタイプの自転車です。2つ目は、工具なしでサドルを外せるクイックレバー式の自転車。
そして3つ目は、人通りが少なく、死角になりやすい場所に駐輪されている自転車です。これらの特徴に当てはまる場合は、特に厳重な対策が求められます。
- なぜ犯人は捕まりにくい?
-
自転車本体には防犯登録番号があり、盗難後に発見された場合、持ち主を特定することが可能です。しかし、サドル単体にはそうした個体を識別するための番号や登録制度がありません。
そのため、万が一犯人が捕まり、盗品と思われるサドルを所持していたとしても、それが自分のものだと法的に証明することが極めて困難であるため、検挙やサドルの返還に繋がりにくいのが実情です。



よくあるQ&Aも、参考にしてください。
【総括】サドル盗難はなぜ起こるか理解し対策を
この記事では、自転車のサドルが盗難される理由から、具体的な防止策、そして被害に遭ってしまった際の対処法までを詳しく解説しました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- 自転車盗難を含む街頭犯罪は、近年増加傾向にある
- サドルが盗まれる主な理由は転売、いたずら、自己使用、収集目的など多岐にわたる
- 高価なスポーツバイクのサドルは、特に転売目的で狙われやすい
- サドルの代わりにブロッコリーが刺さっているなど、悪質ないたずらも実在する
- サドルのみの盗難でも、窃盗罪にあたり警察に被害届を提出できる
- 被害届を出すことで、地域の防犯強化に繋がる可能性がある
- サドル単体での犯人特定や発見は、困難なのが現状
- 最も手軽で効果的な対策の一つは、サドル用ワイヤーロックの設置
- 工具が必要なボルト式の、シートクランプへの交換も非常に有効
- 自宅では防犯カメラやセンサーライトが、強力な抑止力となる
- サドルを外して持ち歩くのは、最も確実だが手間がかかる
- 多くの自転車盗難保険では、パーツのみの盗難は補償対象外
- 保険加入時は、パーツ盗難に関する約款の確認が必須
- サドルは自転車専門店やホームセンター、ネット通販などで購入可能
- サドル盗難は金銭的だけでなく、精神的にも大きな負担となる
【参考】
>>自転車のチェーンが外れた時の修理代って?相場や具体的な方法を解説
>>自転車の鍵を無くした時の探し方って?対処法や注意点を詳しく解説
>>自転車のオートライト端子外し方の手順って?失敗しない方法を解説
>>自転車のキーキー音を油で解消する!正しい対処法とメンテナンス
>>自転車グリップのベタベタの取り方を徹底解説!原因や予防法をご紹介
>>自転車のスポークが折れたまま走るリスクって?適切な対処法と手順
>>自転車センタースタンドのデメリットって?注意点や最適な選択を解説
>>自転車のブレーキワイヤーが外れた原因って?交換手順や基礎知識とは
>>自転車ライトの付け方と選び方のポイントって?種類や注意点とは
>>自転車にミラーをつけるのはダサい?見た目と機能性の完全ガイド
>>自転車にリアキャリアはいらない?必要性や用途別の選び方を徹底解説
>>自転車の前輪ブレーキがかかったままの原因?適切な対処法と注意点
>>サドルロックの付け方にコツってあるの?盗難対策と選び方のポイント
>>スプロケットの外し方って…工具なしで交換できる?代用法も徹底解説
>>初心者でも簡単!自転車サドルの上げ方って?高さ調整のコツとは何か
>>スプロケットリムーバーの代用は可能なのか?外し方と自作方法を解説
>>スプロケットの錆落とし完全ガイド!原因から予防法までを徹底解説